フィットネスに関しては趣味なので個人的に色々調べたり、実験したりしていますが、仕事としても私は会社の衛生管理者として社員の健康管理に携わっています。
社員に健康に関する情報発信をしたり、健康診断の受診勧奨をしたり、オススメエクササイズを教えたり(これは半分趣味)。
先日産業医から「外出自粛やテレワークで運動量少なくなってるから社員に運動不足にならないよう、周知しといてね。」と言われ、呼びかけポスターなんぞを作っていたのですが、ふと湧いた疑問。
「適正な運動量ってどれくらいなんだろう?」
ってこと。
というのも、以前自分自身がオーバートレーニングで体調を崩してしまった経験があるんです。
運動不足はもちろん健康にとって良くないですが、やりすぎも身体に毒です!
でも、ジムに入会したてとか、筋トレにハマった初期の段階ってとにかく楽しくてついついやり過ぎてしまうんですよねぇ。
今は休むのもトレーニングのうち!と考えて思い切って休養を取れるようになりましたが、運動量に拘っていた時期はちょっとでも休むと「筋肉が減るんじゃないか」「体力が落ちるんじゃないか」とかある種の強迫観念に陥っていました(笑)
でもね、今ならわかる。
無理して運動続ける方がパフォーマンス落ちるという事実。
オーバートレーニングになってしまった時の私の運動量
一番運動量が多かった時期の1週間にこなしていたメニューはこんな感じ。
・筋トレ(BIG3中心にダンベルやマシンを使用)約60分×4回
・激しいスタジオプログラム(ダンスやボクササイズ等)約40~60分×10回ぐらい
・コンディションイング系スタジオプログラム(ヨガ等)約60分×1回
・有酸素マシン約60分×2回
休みの日は一日中ジムに入り浸り、筋トレからのスタジオプログラム3本!とかやってました。
当然疲れてくるので、プログラムの合間にカプセルタイプのBCAAを摂取しながら、とにかく運動時間を多くとることで満足していました。
こんなに動いているにも関わらず摂取カロリーは基礎代謝+せいぜい200~300キロカロリー程度。
筋トレはしているものの、当然筋肥大なんて起こるはずがない。
身体に起こった変化
こんな生活を続けていると当然色んなところに不調が出てきます。
・倦怠感
・関節の痛み
・風邪を引きやすくなる
・消化不良
などなど。
多分睡眠の質も落ちていたので、睡眠時間は6~8時間確保してるものの、十分に脳と身体が休まってなくて、レッスン中に集中力が切れ、ダンスの振り覚えも以前より悪くなっていた気がします。
それでも周りのジム友達は私なんかよりはるかに運動量多い人もいたし、「ちょっとぐらい痛みがあったって運動してアドレナリン出せば麻痺して感じなくなるからOK!」とか無茶苦茶なことを言う人もいたので(笑)、まさか疲れが溜まって抜けない状態になっているなんて思ってもみなかったです。
適切な運動量ってどのくらい?
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」によると、18~64歳の運動基準は次の通り。
「強度が3 メッツ以上の運動を4 メッツ・時/週行う。」
うん、これだけでは何のこっちゃですね(笑)
メッツ(METs)とは、運動強度の単位で、安静時(座って楽にしている状態)を1として、何倍のエネルギーを消費するかを表しています。
「メッツ・時」というのは、「運動強度(メッツ)×実施時間」のこと。
つまり、ウォーキング(4.3メッツ)を2時間実施した場合は、
4.3×2=8.6メッツ・時
となりますね!
強度が3 メッツ以上の運動を4 メッツ・時/週ということは、ウォーキングなら1週間あたり1時間で良いことになります。
↓種目ごとのメッツは国立健康・栄養研究所の栄養・代謝研究部のホームページに載っておりましたよ!
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/programs/pdf/mets_n.pdf
ちなみにラジオ体操第一のメッツが4、所要時間が約3分らしいので、1日朝昼晩と3回ラジオ体操すれば1週間で基準をクリアですね(笑)
基準はあくまで健康づくりが目的
思った以上に少ない運動量で良いんだなーと印象です。
運動嫌いの方にとっては朗報かもしれないですね。
しかしこれは生活習慣病予防とか、健康寿命を延ばすとか、あくまで健康づくりのための指標。
・筋肥大
・体力アップ
・代謝アップ
・ダイエット
を目指す我々にとっては、やはり緩すぎる基準かと…
人間は慣れる生き物ですから、現状以上を目指すのであればやはり適度にキツイと感じる負荷をかけないと停滞しちゃいますからね。
筋トレで傷ついた筋繊維が回復するのにおよそ48~72時間かかると言われていますが、有酸素に関しては特に回復にかかる基準値はなく、人それぞれということみたいですね。
要は、
筋トレの場合は同一部位を連日追い込まない!
有酸素の場合は、倦怠感や疲れが抜けていない感覚がある日は休む!
そして、1日で長時間運動し過ぎない!
ということを守りながら、自分の身体の声を聞いて楽しく運動しましょうってことですね。
もう一度言います。1日や2日休んだところで筋肉も体力も落ちないし、休むのもトレーニングのうちですからね!
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